仕事、家族、周囲の人のために、ずっと走り続けてきた。気づけば、自分のための時間なんて最後にいつ取ったのか思い出せない——そんな人、多いのでは?
昭和の時代、「自己犠牲こそ美徳」なんて価値観がありました。上司が帰るまで帰れない、家では家族優先。それが当たり前でしたよね。でも、平成・令和を経た今、その価値観を見直す時が来ています。
なぜなら、「自分の時間」を確保することが、心の余裕を生み、結果的に人間関係も仕事もうまく回るから。
「でも、そんな時間を持つ余裕なんてない」と思うかもしれません。大丈夫、ちょっとした考え方のシフトで、日々の充実度は大きく変わります。
なぜ「自分の時間」を後回しにしてしまうのか?
50代が「自分の時間を取れない」と感じるのには、大きく3つの理由があります。
役割が増えすぎた
仕事では管理職としての責任が増し、家庭では親の介護や子どもの進路問題。さらに、地域の付き合いや友人関係もある。昭和の頃は「一つの役割に専念」できたのに、今は“マルチタスク”が標準装備。そりゃ、疲れるし、自分のことは後回しになりますよね。
「何もしない時間」に罪悪感を感じる
「何かしていないと落ち着かない」。そんな感覚、ありませんか? 昭和・平成の「頑張ること=正義」な時代を生きてきたからこそ、「ただボーッとする時間」に罪悪感を覚えてしまうんですよね。でも、ここで発想を変えましょう。
何もしない時間は「ムダ」ではなく「メンテナンス」です。スマホだって充電しないと動かないように、人間にも「何もしない時間」は必要なんです。
「やりたいこと」が分からなくなっている
自由な時間ができたのに、何をすればいいのかわからない。そんな経験、ありませんか? 長年、家族や仕事を優先してきた結果、自分の趣味や楽しみがどこかへ行ってしまった。これは、ちょっと深刻な問題です。
「自分時間」を持つと、心に余裕が生まれる
では、どうすれば「自分時間」を確保し、心の余裕を持てるのでしょうか? ポイントは3つ。
好きなことを「小さく」始める
「趣味を持とう」と言われても、いきなり何かに没頭するのは難しい。まずは、小さく始めてみましょう。
- 10分だけ好きな本を読む
- コーヒーをじっくり味わう
- 気の向くままに散歩する
昭和の頃、「趣味」といえばゴルフや釣りのように“本格的”なものが主流でした。でも、令和の今、「マイクロ趣味」がトレンド。たった5分でも、自分のために使う時間があるだけで、日常の満足度はぐっと上がります。
「何もしない時間」をあえて作る
「今日こそ何かしなきゃ!」という焦り、ありませんか? でも、50代だからこそ、「今日は何もしない」と決める贅沢を味わうべきです。
- 窓の外をぼーっと眺める
- 好きな音楽を流しながら横になる
- 何も考えずに過ごす
かつては「休日にゴロゴロしていると怒られた」なんて時代もありました。でも、今は違います。何もしない時間こそ、大人の余裕。これは、若い頃には味わえなかった特権です。
「自分時間」を予定に組み込む
「忙しくて時間がない」と思うなら、スケジュールの中に「自分時間」を最初から入れてしまいましょう。
- 週に1回、カフェでひとり時間を確保
- 夜のスマホ時間を読書や音楽に変える
- 1日のスケジュールに「余白」を入れる
仕事の会議や家族の予定は入れるのに、自分の時間は「余ったらやろう」では、一生取れません。まずは、自分のための予定を“ブッキング”することから始めましょう。
自分時間は人生のリセットボタン
50代は、人生の折り返し地点。ここで一度立ち止まり、「本当に大切なことは何か?」を考えるべきタイミングです。
- 「何もしない時間」に罪悪感を持たない
- 小さな楽しみを積み重ねる
- スケジュールに「自分の時間」を入れる
これだけで、日々の心の余裕は格段に変わります。
かつて、仕事でも家庭でも「走り続けること」が求められた昭和・平成の時代。でも、今の50代に必要なのは、「立ち止まることを恐れない勇気」です。
「自分を後回しにしない時間」は、人生をリセットするための大切な時間。だからこそ、今日から少しずつ、意識的に取り入れてみませんか?
最後にひと言
昔のように「根性論」で頑張るのは、もう時代遅れ。50代からは、「頑張らない技術」を身につけることが、むしろ賢い生き方です。
「今日の午後は何もしない」——これこそ、50代の大人が持つべき最高の贅沢ではないでしょうか?

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